※本記事は「マークスライフ株式会社(成仏不動産運営)」様が執筆しております。
「事故物件」と聞くと、どんな印象がありますか?
「怖い」「汚い」「近づきたくない」
こんなネガティブな印象がよぎりませんでしたか?
そんな忌避される事故物件の再生に取り組む企業が世の中には存在します。
そのうちの一つが、弊社「成仏不動産」です。
弊社は、事故物件を所有されていて困っているオーナー様のために、できるだけ高く事故物件を買い取らせていただき、リノベーションを施して世の中に流通させています。
数多くの事故物件を取り扱ってきた中で、実は「事故物件には共通点がある」ということに気がつきました。
そして、このコラムを読まれている方の中には、ご自身やご家族様の終活や生前整理をお考えの方もいらっしゃるかと思います。
事前に知っておいて損はないので、是非最後までお読みいただけますと幸いです。
事故物件の定義と売却相場
まずは事故物件の定義について簡単にご説明します。
事故物件とは、お部屋の中で人が亡くなったことのある物件のことで、主に以下の4つが挙げられます。
主な事故物件
- 発見までに時間を要した孤独死で特殊清掃を施工した物件
- 自殺がおきた物件
- 殺人事件がおきた物件
- 火災等の事故がおきた物件
どの物件も人の死が関係し、もし「家を売りたい」となった時は事故が起きていない通常の不動産よりも安い価格で取引きされることが多くあります。
家を購入するとき、普通の物件と事故が起きた物件、同じ価格で売られていたらどちらを買いますか?もちろん、事故物件という事実を気にしない方は不動産本来の価値で考えれば良いですが、多くの方が普通の物件を選ぶと思います。
ということは、普通の物件と何か差をつけなければ売れません。
その代表的なことが「価格差」になります。
また、室内状況によってはリフォームや清掃等の費用が通常物件よりも高くついてしまう場合もあります。
そのため、市場では事故物件は安く取引されることが多いのです。
事故物件を取り扱う業者というのも限られます。
事故物件を取り扱う業者というのは、事故物件を仕入れて加工(リフォーム)して再販売を行います。
その際にどれくらいで売れるのかを予測し販売価格を設定しますが、事故物件の対応経験がないとこの販売価格設定を行うことが難しく、場合によっては相場よりもかなり低い金額で設定してしまうこともあり、そうすると売主様から不動産業者が買い取る金額も低くなってしまいます。
そうならないために、事故物件の取引に精通した会社に相談するのがおすすめです。
事故物件の共通点
「事故物件に共通点なんてあるの?」
実はあるんです。ご自身やお一人暮らしのご家族、ご親戚のおうちも当てはまるかもしれません。事前に予防できることもありますので、確認をしてみてください。
今回は共通点の中でも孤独死の場合に特に多い3つのことについて解説をしていきます。
孤独死による事故物件の共通点
- 部屋が暗い
- ゴミ屋敷
- コミュニケーション不足
1,部屋が暗い
事故物件に入るといつも思うのが、この「部屋が暗い」です。
どんより、じめじめした感じが部屋中から感じ取れるお部屋が多いのです。
閉塞感があったり、日当たりが悪かったり、窓やカーテンを閉めきっていたるところにカビが生えていたり、フローリングや建具に暗い色が使われていたり。
弊社では、住環境は人間に少なからず影響を及ぼすと考えています。
そのため、お客様から事故物件を買い取らせていただいた後、再販売する際には、できる限り明るい床材や建具にリフォームしたり、日当たりを遮るものがある場合は撤去したりと工夫をしています。
ご自身で簡単に改善できることとしては以下のようなことがあります。
- カーテンやラグ、家具や小物類を明るい色味に変える
- 朝はカーテンを開けて太陽の光を浴びるようにする
- 1日1回は必ず窓を開けて換気をする
- お花や観葉植物などを飾る
お花や観葉植物は最近ではサブスクで定期配送してくれるサービスがありますし、手軽に始められるのでおすすめです。
2,ゴミ屋敷
1と似ていますが、このゴミ屋敷状態になっているおうちもとても多いです。
弊社でよく目にするケースとしては、お部屋の住人がご高齢になり、体の不調から身の回りの整理整頓などが億劫になってしまうことで、どんどんお部屋の中が散らかっていってしまったケースです。
こういったケースはのちに自身のことにも興味関心がなくなり、お風呂に入らない、トイレは近くにあるペットボトルで済ませてしまうといったことも起こりえます。こうなってしまうと、もしお部屋の中で亡くなられてしまった場合、清掃費用とは別で、高額なごみの撤去費用が発生してしまいます。
ご自身や家族にできることとしては、以下のようなことがあります。
- 本当に必要なものと不要なものを仕分けして、不用品は処分する。
※リサイクルショップといった買取り業者に持ち込めば、現金化できる可能性もあります。 - 定期的にお部屋の片づけをする。
※ご高齢の場合は体がうまく動かせない可能性があるので、ご家族が手伝ったり、専門業者に依頼する方法もあります。
3,コミュニケーション不足
最近、ご家族と連絡を取ったのはいつ頃ですか?
1か月以上取っていないといった場合は、今すぐ連絡をしてみましょう。
昔は近隣住民との交流が盛んでしたが、近年は防犯や感染症、家族の形が変わり、近隣住民との交流は疎遠になりつつあります。
そのような中で、コミュニケーションをとってあげられるのはやはりご家族だと思います。
過去に弊社で対応したお客様でこんな方がいらっしゃいました。
お問い合わせいただいたのは、コロナ禍で孤独死してしまった女性の娘さんでした。
娘さんはこう話されていました。
「一人暮らしのお母さんにコロナを移してはいけないと思い、会う頻度を控えていたんです。いつも元気なお母さんだったから、大丈夫だろうと思い、連絡も1か月くらいしていなかったんです。先日、そういえばお母さんと最近連絡とってなかったなと思い電話を何度もかけたんですが、出なくて。急いで駆けつけたら、2週間前に亡くなってたんです。」
お母様のご遺体は腐敗が進んでいる状態で、お葬式もまともにできなかったと聞いています。娘さんは、「もう少し早く連絡していればもっと早く見つけてあげられたのに」と、とても後悔していらっしゃいました。
弊社としてもこういった悲しい別れはできるだけ減らしていきたいと思っています。
ご自身でできることはやはり、こまめな家族との連絡です。
何もなくても、例えばLINEやショートメッセージなどで朝の挨拶や、気温の変化が激しい時には気遣いの連絡等、ちょっとしたことでもやり取りをしてみると良いと思います。
実は弊社では日ごろのちょっとした連絡をもっと手軽にできるようになればと思い、LINEスタンプを作成しています。
こちらのLINEスタンプは、弊社代表の花原が考案しました。
花原には遠方に一人暮らしをしているお母様がいます。これまでお母様とのやり取りはそこまで頻繁にはありませんでしたが、お母様が体調を崩されたことをきっかけに、小まめにLINEでメッセージを送るようになったそうです。しかし、「毎日メッセージを送る」ことは、意外と難しく、毎日同じ内容になってしまったり、毎日送る内容を考える時間を取らなきゃいけなく、こうなってしまうと次第に連絡しなくなってしまう・・・
そこで、もっと手軽に思いを伝えあえるものがあればと考え、こちらのLINEスタンプを作りました。弊社スタッフもこちらのスタンプは購入しており、ご家族や親せきで使っています。
ご興味のある方は是非ダウンロードしてみてください。
見守りサービスの活用
孤独死や自殺の場合、発見が早いに越したことはありません。
ご遺体の腐敗が進む前に発見できれば、しっかりとご葬儀を上げられる可能性だってありますし、お部屋のリフォーム費用を抑えることもできます。
ご近所に臭いや害虫でクレームが発生することも防げます。
そのためには、先述した通り小まめな連絡・コミュニケーションを行うのが良いですが、ご家族によってはそれが難しい場合もあると思います。
そういった場合は「見守りサービス」を利用してみるのはいかがでしょうか?
市区町村や民間企業でも様々なサービスがありますので一部ご紹介をさせていただきます。
主な見守りサービス
- セキュリティ会社
- 家電の使用状況で見守り
- 訪問・宅配サービス
セキュリティ会社
アルソックやセコムといった大手セキュリティ会社が提供する見守りサービス。
ボタンを押すだけで駆けつけてくれたり、ペンダントを握るだけで緊急通報が行くサービスがあります。また、24時間 看護師に健康相談もすることができるようです。
家電の使用状況で見守り
使用電気量をAIで計測し、通常と違う使い方をしている場合や何日も電気を使った形跡がない場合は緊急通報がされます。
訪問・宅配サービス
お弁当を宅配してくれると同時に、見守りもしてくれます。
実際に宅配者が宅配時に一人暮らしの高齢者の異常を察知し、救急搬送できた事例もあるようです。
他にも様々なサービスがありますので、一度確認をしてみてはいかがでしょうか。
想いは伝えるもの。生前にしっかり準備を
弊社ではこれまで孤独死や自殺といった悲しい死を多くみてきました。
人はいつ亡くなるのか自分ではわかりません。
これは若い人でも高齢者でも同じです。
だからこそ、自分がいつどうなっても良いように、後に残された家族の手間を少しでも省けるように、そして自分の意思をしっかりと伝えるために準備をしておくことは非常に大切です。
そこで活用いただきたいのが「エンディングノート」と呼ばれるものになります。
エンディングノートは、終活を始められている方でしたら一度は聞いたことがあるかもしれません。
生前にご自身の終末について書き記すもので、例えばどういった保険に入っているかや、資産がどれくらいあるか、最近ではデジタル媒体のパスワードなどを記載することがあります。
こちらは遺言書ではないので法的効力はありません。そのため、ご自身の想いを100%叶えられるというわけではありませんが、亡き後の煩雑な事柄をスムーズに行ってもらうためにも書き記しておくとよいでしょう。
エンディングノートを書くことにより、改めて自分自身を見つめなおしたり、人生の終末をどうありたいかについて考えるきっかけにもなります。
弊社でもオリジナルのエンディングノートを作成してますので、もし気になる方はぜひお問い合わせください。
あわせてお荷物の整理まで行えると良いでしょう。
意外とお金になるものがご自宅に眠っているかもしれません。
ご自身の亡き後、価値の見定めをせずに捨てられてしまう可能性もあります。
お荷物を売却したお金で生前の楽しみに使うのもありなのではないでしょうか?
まとめ
今回は、「事故物件になりやすい物件の特徴とは!?生前にできること大公開!」というテーマでお話をしていきましたが、実際に取り入れられそうなことはありそうでしょうか?
いきなり実践するというのは大変なので、まずはできることからチャレンジしてみてください。
ちなみに、弊社ではオリジナルエンディングノートも制作してまして、無料でプレゼントをしています。
不動産の生前整理等でもお困りごとがございましたら、お気軽にお問合せいただけますと幸いです。
※本記事は「成仏不動産」様が執筆しております。
執筆者情報
名前 | 有馬まどか |
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会社名 | マークスライフ株式会社(成仏不動産運営) |
役職 | 経営企画部 |
保有資格 | 宅地建物取引士、相続診断士 |
新卒で不動産仲介会社へ入社。売買仲介業を経験し、その後マークス不動産に入社。経営企画部に所属し、新規サービスの立ち上げやブランディング、ディレクション業務を行う。2019年4月から開始した成仏不動産サービスの立ち上げを行う。