100年以上前から時計業界を牽引し続けるスイスの腕時計メーカー「ロレックス」は、今も世界中で多くの人に愛用されており、中古市場でも資産価値が落ちない人気ブランドとして知られています。
ロレックスの高級腕時計の多くは「機械式自動巻きムーブメント」という仕組みであり、長く使うためにはプロの手による定期的なメンテナンス「オーバーホール」が必要です。
そこで今回は、ロレックスのオーバーホールの必要性や費用、や依頼先ごとのメリットなどについて解説します。
また、セルフメンテナンスの方法や使わなくなったときのお得な処分方法についてもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
時計のオーバーホールとは
オーバーホールとは、時計の部品をすべて分解して点検、洗浄するほか、異常や破損した部品の交換を行うメンテナンスのことです。
どんなに高級な腕時計であっても、使い続けるうちに防水性の劣化や時刻の精度が落ちてしまうので、機械式の腕時計は定期的にオーバーホールを行う必要があります。
では、オーバーホールはどのように行われているのでしょうか。
基本的な流れと期間についてご紹介します。
一般的な機械式腕時計のオーバーホールの作業工程
腕時計は、動力の仕組みによって「機械式」や「クオーツ」などの種類に分けられます。
そのなかでもロレックスのモデルに多く採用されている「機械式腕時計」のオーバーホールの工程は以下のとおりです。
1.外観・動作のチェック
まず、分解する前に、バックルや回転ベゼルなどの状態を確認します。
時刻のズレや防水機能の劣化の度合い程度や傷などを調べ、状態によってその後の確認チェックするべき部品が何なのかなどを事前にチェックします。
2.ムーブメントの分解
裏ブタを外し、各部品を分解しながらサビや劣化の程度を確認します。
ケースとブレスの接続部やバネなどを確認後、ローターや自動巻き上げのモジュールを外し、「油切れ」の有無などをチェックします。
さらに微細なパーツは顕微鏡を使い、摩耗の程度などを確認します。
最後にムーブメントの地板から歯車やパーツを全て取り外して診断します。
3.洗浄
油汚れがひどい部品は事前に仮洗いし、超音波洗浄機やスチーム洗浄機などで汚れを落とします。
ケースやブレスの細かな傷は、サンドペーパーなどで丁寧に磨いて消します。
4.組み上げ
洗浄、交換が完了したパーツを組み上げます。
微細なパーツには顕微鏡を使いながら、丁寧に油を差しながら組み直し、磁気を帯びていれば「消磁装置」で取り除きます。
時刻の精度をテスターで何度も調整しながら誤差を0.0に近づけ、最後に文字盤を取り付ければ組み上げ作業は完了です。
ロレックスに
オーバーホールが必要な理由
ロレックスの腕時計には、なぜオーバーホールが必要なのでしょうか。
また、オーバーホールをせずそのままにしているとどのようなトラブルが起こり得るのでしょうか。
オーバーホールをしたほうがいい理由と頻度
ロレックスの腕時計は耐久性に優れていますが、見た目には問題がなくても内部の部品は確実に磨耗します。
「時計が動かなくなってしまった」という事態を避けるためにも、定期的にオーバーホールをして、内部をメンテナンスすることが大切です。
仮にオーバーホールをしなかった場合、不具合に気づいたときにはその原因が深刻化していて、修理するだけでは元通りにならない可能性もあります。
オーバーホールをしておけば、手遅れになることがほとんどないので、修理不可といったトラブルを未然に防ぐことが可能です。
また、オーバーホールでは内部を洗浄し、かつ新しい潤滑オイルを注油できるので、ムーブメントをまるで新品のような状態に仕上げられます。
同様にケースやブレスの汚れも洗浄できるため、外見も新品に近い状態にすることが可能です。
さらに、定期的に消耗パーツを交換すれば、錆びや劣化を未然に防げます。
大きな破損は修理代がかさむ原因になるので、お財布への負担を考慮するとなるべくオーバーホールはしたほうがよいといえます。
なお、オーバーホールの目安は、機械式時計なら3年〜5年に1回、クォーツ時計なら4年に1回といわれています。
この頻度でオーバーホールを行えば、腕時計の精度が落ちる心配はほとんどありません。
ロレックスの腕時計を長く愛用していくためにはオーバーホールが必要不可欠なので、推奨されている期間を目安に行うことをおすすめします。
オーバーホールしていないとどうなるか
腕時計には基本的にゴムパッキンが使われており、これは気密性を確保する役割を持っています。
仮にオーバーホールをしなかった場合、ゴムパッキンが劣化し弾性が失われて気密性を確保できなくなり、それに伴い防水不良を引き起こしてしまいます。
防水不良が発生すると湿気や水分が内部に侵入して文字盤や針が錆びてしまう可能性があり、最悪の場合、腕時計として機能しなくなることも考えられます。
また、時計には100を超える部品が使用されており、それぞれのパーツには摩擦を防ぐための潤滑オイルが塗られています。
オーバーホールをしていないと年月の経過によって潤滑オイルが切れ、部品同士の摩擦によって傷つき錆びてしまいます。
さらに、錆びた状態で稼働していると金属粉が発生し、それが潤滑オイルと混ざり合うことで、部品の摩耗がさらに加速してしまうのです。
傷以外にも、チリやホコリにも気をつけなくてはなりません。
とくにネジ込み式リューズは開け閉めが多いため、チリやホコリが溜まりやすくなっています。
オーバーホールをしないでいるとチリやホコリが蓄積し部品が錆びてしまう原因になってしまうほか、腕時計の内部が錆びの温床となってしまいます。
さらに、錆びは時間の遅れや進みにも影響するため、正確な時刻がわからなくなってしまうことも。
そうなると、腕時計としての機能を十分に発揮できません。
オーバーホールをしなかった場合、このような不具合が発生しやすくなります。
また、不具合を放置する時間が長いほど、修理できない状態にまで悪化してしまう可能性も考えられます。
不要になったロレックスの腕時計を売却する際、修理ができないほど不具合があると、買取金額が低くなるほか、最悪の場合、買い取ってもらえない可能性もあります。
そのため、オーバーホールは定期的に行うことが大切です。
ロレックスのオーバーホール費用を
モデルごとにご紹介
日本ロレックスサービスセンターにおけるオーバーホールの費用の目安は、以下のとおりです。
腕時計の状態や必要なアフターサービスの種類によって費用は変わるため、上述した費用はあくまでも目安です。
部品交換が必要になる場合は、基本技術料に部品代が加算されるので、詳しい金額についてはオーバーホールを依頼する店舗に問い合わせることをおすすめします。
ロレックスのオーバーホール
正規代理店
オーバーホールの依頼先を選ぶ条件のうち、「技術力」や「保証」を重視するのであれば、正規代理店を通じたメーカー修理がおすすめです。
ロレックスの場合、全国7カ所にある日本の正規代理店「日本ロレックス」でオーバーホールを行っています。
店舗への持ち込みはもちろん、サービスセンターや郵送での依頼も可能です。
正規代理店でオーバーホールする最大のメリットは、メーカーならではの安心感です。
ロレックスに精通したプロの職人が作業するだけでなく、2年間有効の「国際サービス保証書」も発行してくれるので、買取りに出すことを検討する際にも価値が上がる可能性が高まります。
その一方で、「料金が割高」「修理にかかる日数が長い」「ヴィンテージモデルは修理を断られることがある」というデメリットもあります。
裏ブタの交換が2万円以上、ミドルケースの交換が25万円したケースもあり、損傷が激しい時計だと予想以上の高額な見積もりが送られてくることもあります。
また、繁忙期だとオーバーホールの期間が2カ月、見積もりだけでも2週間以上かかった例もあるので、時間に余裕を持って依頼する必要があります。
正規代理店のオーバーホールの基本技術料は、以下になります。
■日本ロレックスサービスセンターの基本技術料
モデル 基本技術料(税込み)
デイトナ 6,4800円
エクスプローラーI 4,6440円
サブマリーナ― 4,7520円
ディープシー 5,9400円
※2019年時の料金です。
上記の基本技術料と部品交換代の合計が、オーバーホールの金額になります。
「時間とお金をかけてでも、メーカーならではの安心感と保証が欲しい」というロレックスオーナーには、正規代理店がおすすめです。
ロレックスのオーバーホール
時計修理店
ロレックスのオーバーホールを時計修理の専門店に依頼する人も少なくありません。
時計修理専門店のメリットは、正規代理店と比べるとオーバーホールの料金が低いことです。
また、見積もりやオーバーホールの期間にかかる時間も正規代理店よりも少なく、利便性が高いのも特徴といえるでしょう。
ロレックスのオーバーホール
量販店
大手家電量販店にオーバーホールを依頼することもできます。
手軽でポイントが付くこともあり、買い物ついでにロレックスの時計を預ける人もいます。
比較的低価格でオーバーホールできますが、「誰が」「どこで」作業するのか確認しておく必要があります。
家電量販店内にオーバーホールできる人材がおらず、外部に委託しているケースは珍しくありません。
時計修理専門店のスタッフが作業を行うことなどをしっかりと確認し、大事な腕時計を任せても大丈夫だと感じられたら任せることをおすすめします。
修理に出したロレックスの価値と
買取りのポイント
4~5年に1回とされるオーバーホールの期間が守られているロレックスの腕時計は、たとえオーバーホール時に部品を交換し、修理していたとしても価値は落ちにくいとされています。
逆に価値が下がりにくいとされるロレックスの腕時計であっても、正しくメンテナンスしなかった場合は買取価格が相場よりも低くなる可能性が高まります。
より高く買い取ってもらいたいのであれば、保証が付く正規代理店にオーバーホールを依頼することがおすすめです。
時計修理店や量販店に依頼すると、部品交換で非正規部品を使われてしまう恐れがあります。
正規代理店にオーバーホールを依頼すれば、そのようなリスクはゼロになるのでより高い価値を保ち続けられます。
ロレックスの買取りなら
MARUKA(マルカ)がおすすめ
ロレックスはその人気の高さゆえに贋作も市場に多く出回っています。
また、多種多様な現行モデルやコアなファンが多いヴィンテージモデルなど、査定には多くの経験と知識が必要です。
そのため、適正価格で買い取ってもらうためには業者選びは欠かせません。
私たちMARUKA(マルカ)は、60年以上ブランド品の買取に携わり、特に腕時計はロレックスをはじめ各メーカーの機械式時計から最新モデルまで幅広く買取実績を積み重ねています。
ご来店いただいた場合、専門のスタッフがお客様の前でしっかりと査定するので、不安や疑問などにも丁寧に対応させていただいております。
ロレックスのオーナー様は、価値だけではなく一緒に刻んだ思い出も大切にされている方がとても多いのです。
私たちMARUKA(マルカ)は、買取後も丁寧に腕時計をメンテナンスし、その思いも一緒に次のオーナー様に届けられるよう配慮しております。
もしロレックスの腕時計の買取を検討しているオーナー様がいれば、私たちMARUKA(マルカ)にお気軽にご相談ください。