ジュエリーの売値を左右する18金(K18)・10金(10K)の違いとは

金をあしらった結婚指輪などの装飾品を購入する際、「18金(K18)」もしくは「10金(K10)」の表記を目にしたことがある人は、多いのではないでしょうか。
18金などの「〇金」は、ジュエリーの地金など合金でできた部分の金の含有量を示す重要な表記で、見た目や価格などに大きな影響を与えます。

今回は、特に日本で人気が高い18金(K18)を例にとって、ジュエリーの価値を決める大きなポイントになる金の含有量を示す表記について解説します。

目次

「K18」「18金」が示す
金の純度とは

ジュエリーでは指輪や留め金などの地金部分に金が使われていることが多く、裏側など目立たない場所に「K〇〇」と刻印されています。
例えば18金の場合は「K18」と記されています。
これは金製品に含まれた金の量を示したものです。
まずここでは、ジュエリーなどに純金ではなく金以外の金属を混ぜた合金が使用される理由についてご紹介します。
なお、「K18」のKは「カラット(karat)」の頭文字をとったものです。
同じ読み方でスペルも似ているダイヤモンドなどの宝石の重さを示す「カラット(carat)」とは意味が大きく異なるので注意してください。

合金が使用される理由
ある金属を他の金属(あるいは少量の非金属)と一緒に溶かして、混ぜ合わせることを「合金」といいます。
代表的なものだと「ステンレス鋼」、「ジュラルミン」などが挙げられ、合金は精密機器や産業機械などの幅広い業界で利用されています。
宝石業界においても、プラチナなどが使われているほとんどのジュエリーは合金です。
その理由は、純度100%の金は柔らかすぎて加工しにくく、
ジュエリーの素材に適さないからです。
そこで金に銀や銅を混ぜる「割金(わりがね)」という作業を行って合金にすることで、硬さやバネ性を強化した「耐久性」や「加工性」を向上させ、ジュエリー加工に適した素材にしているのです。

「〇金」が意味する金の含有量


一般的に、日本において金の純度は24分率で表記されます。
例えば18金のリングの場合、純金の量は「24分の18=0.75」となり、リングの総重量の75%の金が含まれているということが分かります。
この75%のことを「金の含有率」といいます。

造幣局が実施している金製品の国家検定「品位証明」を受けて、合格すると証明として金製品に「品位」を刻印できます。
この場合、24分率ではなく「1000分率」が使われているので、表記の違いに注意しましょう。
また、品位証明は任意のため、すべての合金の金製品に刻印されているわけではありません。

銀やプラチナとの表記の違い

ジュエリーの合金としてお馴染みの銀、プラチナの含有量を示す際は「プラチナ1000(Pt1000)」のように表記します。
なぜ金だけに24分率が採用されているのでしょうか。
その理由は金の歴史と深く関わりがあると考えられています。

前述したK〇〇の「カロット(karat)」の語源は、地中海東部にある「いなご豆」だとされています。
古代のギリシャでは金の重さを量るときに、種子の重さが比較的均一であるいなご豆を天秤にかける分銅として使っていたのです。
天秤によって計量するので、それぞれの割合は「〇:〇」もしくは「〇:〇:〇」という必ず形で表せます。
例えば、18金の場合、金:銀:銅は6:1:1。
全体に対する金の割合は8分の6、つまり18分の24と表せるのです。
このような長い歴史から、金の含有量の表記は24分率になっているとされています。
ただ最近では、前述した財務省の検定のように24分率よりも分かりやすい1000分率で表記することも増えているようです。

「K18」や「K10」は
ジュエリーによく使用される

基本的に金の含有率が大きくなり純度が高くなるほど、ジュエリーの価値も上がります。
しかし、各国で人気の金の含有量は異なります。
例えば日本では18金が昔から人気ですが、ヨーロッパ全体では14金、イギリスは9金がよく使われています。
また最近は金の価格が高騰していることから、日本でもよりリーズナブルに購入できて普段から気軽に装着できる10金のジュエリーに注目が集まっています。
以下は、金の含有量ごとの主な特徴と使用用途をまとめた表です。


 
金の含有量によって、それぞれ色合いが異なります。
18金は10金よりも濃い金色で、10金はより淡い色合いになります。
見た目の高級感は大きくは変わりませんが、18金の方がよりカラーバリエーションが豊富です。

金の純度を自分で調べる
おすすめの方法


ジュエリーの売却を検討していて「金の純度を自分で調べてみたい」と思う人もいるのではないでしょうか。
正確な診断は専門家でなければ下せませんが、おおまかな純度であれば、比重を測定することで自宅でも調べられます。
その代表的な「水」と「計量カップ」を使った調査は、以下の手順で行ってください。
1.計測する金属製品の重さを計測する
2.計量カップを用意する(目盛りが細かいほど、正確に調べられます)
3.計量カップに半分ほど水を入れ、金属製品を投入する
4.増えた水かさを計測する
5.「1」で計測した重さから増えた水の体積で比重を計測する 6.下記の表から、それぞれの含有量の比重と合致する値を調べる 

上記の手順を踏むことで、おおまかな比重を調べることが可能です。

自分にあった
「〇金・K〇」のジュエリーを選ぼう

2020年1月時点では、18金と10金の買取価格は重さ20gあたり約9万円、4万7200円と大きな差があります。
ただ、それ以上にジュエリーの色合いや金属アレルギーなどの影響の大きさなど、異なる点が多いのです。
購入後や売却時に後悔しないように、金をあしらったジュエリーを買う際は、金の含有量「○金・K○」のことをしっかりと考慮することをおすすめします。

目次