ガーネットの種類は豊富!色・特徴・価値など基礎知識を解説

赤色のガーネット

ガーネットと聞くと、まずはじめに赤色を思い浮べる方が多いでしょう。

しかし、ガーネットは色の種類が非常に豊富な天然石です。名前が付けられているものだけで38種類あり、なかには希少性が高い色も存在します。

今回は、ガーネットの種類や特徴、美しさを保つお手入れ方法についてお伝えしていきます。

目次

ガーネットの特徴と基礎知識

ガーネットは、5000年以上前から存在すると言われている宝石です。フランス王妃のマリー・アントワネットを始めとし、歴史上の人物の胸元や指先を飾ってきた由緒ある宝石でもあります。

まずは、そんなガーネットの基本的情報・特徴から確認していきましょう。

ガーネットの特徴 ガーネット
原産国 インド・マリ・マダガスカル・ケニヤ・ナイジェリアナ・ナミビア・モザンビーク・スリランカ・タンザニア・ロシアなど
多様。名前がついているものだけで38種類。
名前の由来 ザクロの種に色味が似ていることから、ラテン語で種を意味する「グラナタス」に由来。そのため、和名は「ザクロ石」。
その他 1月の誕生石。
宝石言葉は「変わらない愛情」「情熱」「真実」「真の友情」「忠実」「繁栄」

あまり知られていませんが、ガーネットのカラーバリエーションが豊富な理由の一つとして原産国の多さが関係していると言われています。国や採掘場によって、色の種類やクオリティに違いが出るのだそうです。

また、ルビーなど加熱処理される他の宝石とは違い、原石を研磨しただけで人為的な処理を施していない無処理の石である点も特徴の一つです。

ガーネットの種類を大きく分けると2種類

ガーネットは、名前が付けられているものだけで38種類あります。

大きく分けると2つのグループがあり、そのなかからさらに「種」に分かれ、それぞれの名前がついた宝石に分類されます。

これらの種類を簡単にまとめたのが、下記の表です。

グループ 名前
①パイラルスパイト(赤系) アルマンディン アルマンディン
パイロープ パイロープ
スペサルティン スペサルティン
②ウグランダイト(緑系) アンドラダイト デマントイド
グロッシュラー グロッシュラー・ヘソナイト・メレラニミント・ツァボライト
ウバロバイト

また、ガーネットには『固溶体』もあります。固溶体は2種類以上のガーネットが溶け込んで出来上がった石で、自然に発生したものです。

たとえば、パイラルスパイトのアルマンディンとパイロープの固溶体は、『ロードライト』と名づけられています。このように名前がつけられているものは主に6種類あり、希少性が高い石として知られています。

代表的な赤系ガーネットの種類

赤色のガーネット

ガーネットといえば赤色が有名です。ここでは、パイラルスパイトのグループで代表的なものを5種類ご紹介します。

パイロープ

赤系のガーネットのなかで最も有名な種類がパイロープです。

ギリシャ語で「燃える目」を意味する「ピロポス」という言葉が由来の石で、上質なパイロープはルビーと見分けがつきにくいとも言われています。そのため、アンティークアクセサリーのルビーが現代になってパイロープと発覚するケースも珍しくありません。

ガーネットの中でも代表的な存在であることから、人気のある石です。

スペルサルティン

スペルサルティンは、まるでみかんの粒のような鮮やかなオレンジ色が特徴です。その色合いから『マンダリン・ガーネット』とも呼ばれています。

スペルサルティンは淡い黄色の種類も見られますが、濃いオレンジ色に近い方が希少性が高く、人気があります。

アルマディン

パイロープの次に有名なのが、アルマディン・ガーネットです。

アルマンディンとは、トルコにある都市・アラバンダが由来でつけられた名前です。パイロープよりピンク色がかった赤色が特徴で、透明度の高いものが多く見られます。

ロードライト

ロードライトはギリシャ語で「バラの石」という意味です。その名の通り、パイロープよりも明るい色合いが多く見られます。

また、色味の種類に幅があり、明るいピンクからラベンダー色に近い個体がある点も特徴の一つ。最も価値が高く、人気があるのはラズベリー系のカラーです。

マラヤ・ガーネット

マラヤ・ガーネットは、パイロープとスペルサルティンが混合した石です。1960年代に発見され、比較的新しい種類でもあります。

マラヤとは、スワヒリ語で「仲間ではない」という意味で、当初はガーネットの仲間であるのか疑わしかったことが由来だと言われています。

緑系ガーネットの種類

緑色のガーネット

続いて、ウグランダイトのグループに属する緑色系のガーネットで代表的な6種類をご紹介します。

デマントイド

デマントイドは、ガーネットに限らず色のある天然石の中でも非常に需要が高い種類です。

美しい緑色の輝きが特徴で、市場に出回った際には、高値で取引されています。1855年にロシアで採掘された当初は、エメラルドと間違えられていたそうです。

グリーン・グロッシュラー

東アフリカを原産とするグリーン・グロッシュラーは、別名で『ツァボライト』とも呼ばれています。美しい緑色は、「ガーネットの王様」とも呼ばれており、市場に出回る数が非常に限られています。

採掘量が少なく、今後ますます希少性が高まりそうです。

ウバロバイト

ウバロバイトは、エメラルドに劣らない鮮やかな緑色が特徴の石です。1832年にロシアの山脈で発見され、政治家で鉱物コレクターでもあったセルゲイ・ウヴァーロフの名前にちなんで名付けられたと言われています。

宝飾品に使われることはあまりないのですが、採掘量が少なく希少性が高いためコレクションとして人気を集めています。

ヘソナイト

ヘソナイトには、ゴールドとシナモン色の2種類存在していて、シナモン色は『シナモン・ストーン』という名前で流通することもあります。

ヘソナイトの中でも明るい金色がかかったオレンジ色は人気が高く、まるで蜂蜜のような色合いです。ヘソナイトは色味の種類に幅があり、茶色がかったものも見られます。

アンドラダイト

ガーネットの中でも、さらにカラーバリエーション豊富なのがアンドラダイトです。どの色もダイヤモンドよりも分散光が強く、独自の輝きが最大の特徴。

黄色は『トパゾライト』黒色は『メラナイト』という別名で呼ばれています。

マリ

マリは、比較的最近発見された種類です。グロッシュラーとアンドラダイトが混合している固溶体で、明るく黄色がかった緑色に輝きます。

不思議な色合いであることと流通量が少ないこともあり、人気がある種類です。

人気・価値が高いガーネットの種類ベスト5

ガーネットの原石

ガーネットの種類で特に人気があるのは以下の5つです。

ガーネットで人気の種類BEST5

  1. デマントイド
  2. グリーン・グロッシュラー(ツァボライト)
  3. スペルサルティン
  4. ロードライト
  5. アルマンディン

市場で高値をつけるのは、緑系のガーネットです。

緑系のガーネットが高値で取引される理由は、赤系よりも採掘量が少ないため。赤系は採掘量が多く高品質な石が安価で手に入るので、シルバーアクセサリーといったカジュアルな装飾品によく用いられています。

なお、比較的安価で取引されている赤系ガーネットですが、カラット数の大きさによっては高値がつくこともあります。

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ガーネットをいつまでも美しく!お手入れ方法

ガーネットの美しい輝きを長く楽しむために、身につけたあとは柔らかい布で拭き取ってから保管しておきましょう。皮脂汚れが気になるときは、中性洗剤を溶かしたぬるま湯に入れ、柔らかなブラシで軽く洗い流してください。

ガーネットは種類によって硬度が異なりますが、おおよその硬度は6.5~7.5程度です。

比較的硬度が高い天然石なので、他の宝石と一緒に保管しておくと擦れて傷がついてしまう可能性があります。そのため、ガーネットは単独で箱に入れて衝撃を与えないように保管しましょう。

豊富な種類のガーネット売却はプロに相談

宝石買取の紹介ページ

ガーネットは手軽な価格で手に入りやすいイメージを持たれがちですが、種類やクオリティによっては高値で取引される貴重な天然石です。

種類が豊富で真価を見極めることが難しい石なので、売却を検討する際は有資格者の鑑定士が在籍している買取店を選びましょう。

創業70年を誇る信頼と実績のブランド買取専門店MARUKA(マルカ)では、プロの鑑定士が大切なガーネットの価値を最大限評価します。

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