昨今、「金」の価値に改めて注目が集まっています。というのも、「金」は10年前と比べて約3倍、15年前と比較すると、なんと約4.5倍もの小売価格で推移しているからです。
そこで今回は、京都MARUKA(マルカ)で査定士を務める川本英貴が、「金」が秘める可能性について語ります。金の買取を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
18金と24金、純金の違い
まず、「18金と24金、純金の違い」をおさらいしておきます。この違いは、ずばり「金」の含有量です。ほぼ100%の「金」であれば、「24金」「純金」となります。言葉は違いますが、「24金」と「純金」は同じです。「18金」とは、「金」の含有量が75%のものを指します。ちなみに、ヨーロッパでは「24金」「純金」を「1000」、「18金」を「750」と表記したりもします。
アクセサリーやジュエリーに「18金」が多いのは、加工がしやすいためです。「金」の含有量が75%なので、残りの25%に銅などを使って強度を高めたり、色を付けたりしています。
金の価値は下がらないとは限らない
金に価値があるのは、「地球上にある金の量が決まっているため」です。金は自然に増え続けるものではありませんし、埋蔵されている金の量も残りわずかといわれています。そのため、金は希少性が高く価値のあるものとされているのです。
そんな金は、幅広い用途で使用されています。たとえば、ジュエリーをはじめ、パソコンやスマートフォンなどの精密機器がそのひとつ。金は、加工しやすく耐久性に優れているだけでなく伝導性もあるので、工業用品に最適な貴金属なのです。
さらに、金は医療の現場でも使われており、たとえば「金歯」がそれに該当します。純金だと柔らかく歯に適さないので、ほかの貴金属と合わせて金歯が作られるのですが、腐食性が低いので錆びる心配はほとんどありません。また、金はアレルギー反応が起こりにくいこともあり、「金箔」として美容や食用にも使われています。
このように、金にはたくさんの使用用途があるため、価値が衰えることはほとんどありません。しかし、金の価値は絶対的に一定を保つわけではなく、条件によっては下がることもあるので注意しましょう。
為替に影響される金の価値
金の取引は米ドルを用いて行われているため、その価値には為替相場が大きく関係します。
輸入する必要がなく日本国内のみでの取引であれば「円」で売買が行われるため、外国為替は関係しません。しかし、金の場合は海外から輸入したり海外との取引が生じたりするため、為替とは切り離せません。そのため、金の価値は為替によって影響されてしまうのです。
金を買取に出す際は、「円安・ドル高」のタイミングを狙うのがおすすめです。なぜなら、円の価値が上がると海外では高くお金を支払うことになるため。金の買取対応をしている業者・店舗では、為替レートをチェックしたうえで買取価格を決めていることがほとんどです。そのため、売るときは「ドル円為替相場」を確認しておくようにしましょう。金の相場がどのくらいなのか、あらかじめ知っておくことで買取に出すベストなタイミングを図れます。
相場が急落する際の条件とは
金の相場は常に一定というわけではなく、日々変動するものです。こまめに大きな変動が起こるわけではありませんが、相場が急落してしまう可能性も少なからずあります。金相場が急落すると、買取価格が安くなってしまうので注意しなければなりません。
では、相場が急落する際の条件にはどのようなものがあるのでしょうか。以下で、3つの条件についてご紹介します。
需要と供給のバランス
まず、「需要と供給のバランス」があげられます。金は需要が多いものの供給量が少ないため、希少性が高く高価です。しかし、金に対する需要が減ったり供給量が増えたりすると、バランスが崩れて金の価値が下がり、それに伴い金相場も急落することが考えられます。
金以外が注目される
2つ目は「金以外が注目される」です。金を投資目的で購入する方は多いですが、金以外の投資対象が注目を集めると、言わずもがな購入者が減ってしまいます。儲けが出る投資商品に移行する方が増えるためです。そうなれば金の需要が減るので、結果として相場が急落する可能性があります。
世界情勢の安定
3つ目は「世界情勢の安定」です。”有事の金”と呼ばれるほど、金は自然災害や戦争などの有事に強いといわれています。そのため、金相場は世界情勢のバランスが崩れるときに高騰する傾向にあります。これは言い換えれば、世界情勢に変化がなく安定しているときは金相場が急落する恐れがあるということです。そのため、世界情勢についてはこまめに確認しておくことをおすすめします。
中・長期的に見れば「金」の価値が暴落することは考えにくい
日本では「18金」をよく見かけますが、「18金」の人気が高いのは、実は日本とヨーロッパの一部くらいなのです。ほかの国では、「24金」「純金」が好まれています。これは、「金
が「通貨」の代わりとして考えられているためです。平たくいえば、いざというときに換金するため。換金するなら、含有量がほぼ100%の「24金」「純金」の方が「18金」よりも当然高くなります。とくに中国や東南アジアの国々でその傾向は顕著であり、これには「自国の通貨に不安を感じている」という背景があります。
前述したように、昔から「金」は「有事の金」といわれ、世界のどこかで政情不安が起きると、価格が高騰しました。そんな中、現在10年以上にわたって価格が右肩上がりを続けているのは、「そのときの有事」よりも「慢性的な通貨不信」という要素が強い印象です。裏を返せば、「燃えない資産」「壊れない資産」という「金」が持つ性質そのものが安心感を生み、高く評価されているのだと考えられます。そのため、中・長期的に見れば価値が暴落することは考えにくく、今後も安定的に価格は伸びていくと予想されています。
節税対策と将来への投資、2つの役割を果たすインゴット
そんな金を資産として持つことを考えるのであれば、インゴットがおすすめです。
インゴットとは金の塊で、その形状はバー(延べ棒)やプレートが一般的です。インゴットは、金の含有量がほぼ100%という点においては「24金」「純金」と同じなのですが、別物として扱われます。そのため、ごく僅かですが買取価格も同じ重さの「24金」「純金」より高くなる傾向にあります。また、購入金額と売却価格に大きな差が生じにくくリスクが少ないため、はじめて投資にチャレンジされる方にとっても最適です。
このほか、インゴットは節税対策につながる生前贈与においても役立ちます。
贈与税は年間110万円までは非課税になるので、その金額分を子どもや孫にインゴットで贈与します。それにより、節税効果を受けられるだけではなく、金の価値が上がれば資産が増えることにもなるのです。もし、将来的な課税を気にしているのであれば、あえて非課税枠より少し多めの金額を贈与して、インゴットの贈与時に少額を納税しておくのがおすすめです。納税証明書が発行されるほか、税の二重課税は法律で禁止されているため、贈与後の金の高騰による利益分については課税される心配はなくなります。
金を高く売るためのコツ
金を高く売るには、前述したように「相場の確認」が大切です。金相場が高いときに売却することで、買取額がアップします。また、相場をチェックしておくメリットはそれだけではありません。買取額と相場はイコールではありませんが、差額が大きく安い金額が提示されたら、売却を考え直すこともできます。後悔しないためにも、金相場をチェックしておくことは欠かせません。
自宅に1g単位で計測できる量りがある場合は、金の重さを調べておくのもおすすめです。1gあたりの相場を知ることができても、重さがわからないとどのくらいの金額になるのか想定できないためです。事前に重さを把握しておけば、単純計算で金のおおよその買取価格を確認できるので、売却するタイミングをより図りやすくなります。
なお、量りがない場合は、買取業者に査定を依頼するのも一案です。査定だけでも利用でき、かつ無料の買取業者であれば出費の心配がなく、重さやある程度の買取金額を知ることができます。
ゴールドジュエリーにダイヤモンドがあしらわれている場合は、鑑定書を持ち込むことで買取額がアップする可能性があります。さらに、付属品の箱や保証書もセットにすれば、高額買取がより期待できます。
なお、汚れに関しては査定額に大きな影響は与えないものの、きれいにしておくに越したことはありません。フロスやメガネ拭きなど柔らかい布で軽く拭うだけでも、きれいな状態に仕上げることが可能です。買取に出す前に、ある程度のお手入れをしておきましょう。
このほか、金を高く売るためのコツとして、数点まとめて出すという方法もあります。1g単位で買取額が算出されるのですが、数点出すことで重量が増えます。それにより、買取額もアップさせることが可能です。
買取業者選びの注意点
金を売却するときはどこに依頼するかが重要になってくるため、買取業者選びの注意点も押さえておきましょう。優良の買取業者か確かめる場合は、まず依頼するお店に電話して「今日の18金の買取価格を教えてください」と聞いてみてください。金の取引金額は毎日変動し、それは世界共通です。そのため、「18金であれば1gあたりいくらです」と即答できない場合、良心的な業者ではない可能性が高いといえます。最悪の場合、適切な金額を提示してもらえないことが考えられます。「モノを見せてもらわないとわからない」と言ったり、コソコソとバックヤードで査定しようとしたりするところは警戒しておくのが堅実です。
また、金の買取実績が少なく、専門の鑑定士が在籍していない業者にも注意しなければなりません。実際は高くで売却できるはずのものが、安くで買取されてしまう恐れがあります。そのため、業者を選ぶ際は金の買取実績に加えて、在籍している鑑定士がどういう人なのかについて確認し、安心して査定を依頼できるかどうかを見極めることが大切です。
宝石があしらわれたジュエリーゴールドを買取に出す際は、金と宝石それぞれの専門鑑定士が在籍しているか確認することをおすすめします。金の買取を得意としていても宝石の価値を見極められないと、満足のいく買取額を提示してもらえないことも。資格の有無は買取業者のホームページで調べることもできるので、あらかじめチェックしておきましょう。
買取業者はどこも同じ金額を提示してくれるわけではなく、依頼先によって差が生まれます。後悔しないためにも、買取業者は慎重に選ぶようにしましょう。
金の買取ならMARUKA(マルカ)がおすすめ
金の価値はほとんど下がることがないものの、為替に影響されたり、条件によって相場が急落する可能性があります。しかし、金の信用は世界的に厚く、今後も「堅い資産」であり続けると考えられます。そのため、金をお持ちであればそれを大切に保管しておくことをおすすめします。
とはいえ、中には「金を換金したい」「買取に出したい」という方もいるかもしれません。その場合は、金の相場を確かめたうえで、ベストタイミングで売却するようにしましょう。少しでも高く売りたい場合は、今回ご紹介した「金を高く売るためのコツ」や「業者選びの注意点」をぜひ参考にしてみてください。
なお、MARUKA(マルカ)には、金に詳しい専門のスタッフが在籍しています。また、お客さま様の目の前で査定を行うほか、査定金額についてしっかりと説明をさせていただきます。そのため、安心して金の買取を依頼いただけます。
さらに、MARUKA(マルカ)では透明性を大切にしており、明細には商品ごとに重さと金額を記載するようにしています。くわえて、手数料を頂戴していませんので、その日の相場とほぼ同等の金額で買取をさせていただいています。「金の価値を知りたい」「売却を考えている」という方は、この機会にぜひMARUKA(マルカ)をご利用ください。