「品格」は、多くの女性にとって憧れのキーワード。上品さと気高さを持ち合わせた「品格ある女性」のイメージが、私たちの心をとらえてやまないのは、それが一朝一夕に手に入れることができないと知っているからです。
「品格」は、お金があるからといって手に入るものではありません。日々の暮らしの中でいつも意識し精進してこそ身につくものです。
「品格」は「話し方」に顕著に表れる
私たちは、見た目の印象、話し方、人との付き合い方、周囲への気遣い、常識や知識など、ありとあらゆる面で、その人の「品格」を感じとります。中でも特に目につきやすいのは「話し方」です。映画『マイ・フェア・レディ』で、ヒギンズ教授が下町娘をレディに仕立てるために変えさせたのは、まさに「話し方」でした。「話し方」には、人となりや知性、育ちが顕著に表れてしまいます。
では、品格ある話し方を身につけるには、何に気を付ければ良いのでしょうか?
・正しい敬語
日本語には「敬語」という相手を敬う言葉があります。正しい場所で正しい敬語を使いこなせるかどうかは、とても大切なことです。敬語の中でも、「です」「ます」形の「丁寧語」、そして相手を上げて使う「尊敬語」は比較的習得しやすいものです。
しかし、自分がへり下って使う「謙譲語」は、慣れていないと簡単には言葉が出てきません。「謙譲語」が滑らかに使える人は、普段から「美しく言葉を使う」ことを意識している人と言えます。
・相手を思いやる言葉使い
言葉は、その使い方次第で、大きく印象が変わります。相手の気持ちを損ねることなく、伝えたいことをスマートに伝える。例えば「それを持ってきて下さい」ではなく「それを持ってきてもらってよろしいですか?」とお願いごとを疑問形にする方法。他にも、「お手数ですが」や「恐れ入りますが」などのように、言いにくいことを言う前に「クッション言葉」をはさんだり、「できません」ではなく「できかねます」というように、否定の意味を否定形を使わないで伝える方法などがあります。
言葉の用い方のバリエーションを自在に使いこなせるようになること。それが品格ある話し方への第一歩です。
・声のトーンと早さ
話すときに良い印象を与える声は、耳に柔らかく邪魔にならない声です。甲高く響く声よりも、ソフトアルトの落ち着いた声の方が、相手の耳に上品に届きます。
また、話すスピードにも注意が必要です。早口はいけません。早口になると声も高くなるというデメリットがあります。意識してゆっくり話すようにしましょう。
「品格ある女性」は、毎日を丁寧に生きている
「品格ある女性」という言葉が表すイメージは、「上品」で「優雅」な様子だけではありません。「矜持」という言葉が似合う、心構えや覚悟といった強さを併せ持つ女性が浮かびます。
「品格ある女性」は、その場にふさわしい話し方や振る舞い方を自然にできる人です。しかしそれは結局、小手先のテクニックではなく、毎日の生活を慈しみ、周囲の人やモノとの関係に常に心を寄せる丁寧な生き方をしていることに尽きます。ピンと背筋を伸ばした生き方にこそ、「品格」は宿るのです。