近年、終活の一環として「エンディングノート」を作成する人が増えています。
エンディングノートと聞くと、周りの人のために自身の死後のことを書くイメージが強いかもしれませんが、準備することで自分自身を見直すきっかけも作れます。
その結果、より豊かな人生を送ることも可能です。
今回は、そんなエンディングノートの作り方についてお話していきましょう。
エンディングノートとは何か?基礎的な知識について
エンディングノートの作り方を知る前に、基礎的な知識を把握しておきましょう。
エンディングノートは遺言状と同じだと勘違いしている方もいるようですが、似て非なるものです。
ここではエンディングノートとは何なのか、基本的な知識についてお話します。
エンディングノートとは?遺言状との違い
エンディングノートとは、自分の最期についてあらかじめ作成しておくノートのことを指します。
家族や親族、そして大切な友人宛てに伝えておきたいことや、今後の希望などを書き留めておくことになります。
こういった自分の死後について記しておく存在として、遺言状もあります。
エンディングノートと遺言状は似たような存在に感じるかもしれませんが、実際には異なった存在です。
エンディングノートには法的効力がなく、一方の遺言状は法的な強制力を発揮します。
例えばエンディングノートに遺産相続の希望を記していても、実際にはそうならない可能性があるのです。
しかし、遺言状は死後に関すること以外は記することができず、範囲も遺産相続や、残された子供の認知など内容が定められています。
一方のエンディングノートはそれ以外のことを自由に記すこともでき、さらには生きている間の暮らしについても記すことが可能です。
簡単にまとめると、以下の通りになります。
遺言状:法的拘束力はあるが、死後のことしか書けない
エンディングノート:法的拘束力はないが制限がなく書ける
エンディングノートを書くメリット
エンディングノートを書く最大のメリットは、自分自身の希望や意志を自由に書き留めることができる点です。
万が一、自分の身に何か起こったときに共有しておきたいことや介護の希望、延命措置についてなど知らせることができます。
そういったさまざまな事柄を決定しておくことで、家族の負担を減らすことができるでしょう。
また、事務的な事柄だけでなく、感謝の言葉を記すことも可能です。
そして、エンディングノートを書いているうちに、自身の経済状況も理解できるようになるでしょう。
人生の終末期をどう過ごすのかを考え、備えることにもつながります。
さらにこれまで自分が歩んできた道のりを振り返ることで、残りの人生をより充実させる方法が見つかるかもしれません。
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エンディングノートに決まりはありません
定まった形式のある遺言書と異なり、エンディングノートには決まった形やルールはありません。
そのため、エンディングノートは自分の好きなように作成することができます。
例えば日記のように、手書きで作成する方法も良いでしょう。
その他にもパソコンやスマートフォンを使ってまとめたり、写真を混ぜてアルバムのように作成したりと自由に作成できます。
しかし、ただ思いついたままにつらつらと書き綴っていただけでは、あなたの意志が遺族に伝わらないこともあるかもしれません。
そういった行き違いを防ぐためにも、エンディングノートでは「家族や友人など大切な人へのメッセージ」「自分の死後に発生するであろうさまざまな手続きに必要な情報」をわかりやすく記入しておくことが多いようです。
このようにエンディングノートの作り方はルールもなく、とにかく自由であるからこそ、何を書いていいのか迷ってしまう方も少なくありません。
書き方に困ったときには、市販のエンディングノートを使うのも良いでしょう。
市販のエンディングノートならば、質問形式になっているため、それに答えていくだけで作成できます。
誰でも簡単に要点を抑えたエンディングノートを作ることができるので、迷ったときにはチェックしてみましょう。
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初めてエンディングノートを作る方はもちろん、まだ本格的なノートを作るには早い気がするけれど、なんとなく内容を把握しておきたいという方におすすめです。
エンディングノートで書くべき項目:身の回りの基本的な情報
それでは、具体的なエンディングノートの作り方について見ていきましょう。
まず書くべき事項として大切なのが、身の回りの基本的な情報です。
基本的な事柄は身内が分かっていると思っていても、案外把握しきれていないこともあるでしょう。
具体的には下記の内容を記してください。
基本情報
まずは自分自身の基本情報について、エンディングノートに書き込んでいきます。
基本情報として最低限まとめておきたいのは以下の6つです。
【記載すべき内容】
- 1.氏名
- 2.生年月日
- 3.現住所
- 4.本籍地
- 5.血液型
- 6.家族構成
これらの情報は住民票の抹消や年金受給停止手続きなどに必要になるため、正確な情報を改めて書き出しておきましょう。
その他にもかかりつけの病院やよく利用する店、自分の趣味や特技、愛読書と言った情報をまとめるのも良いかもしれません。
遺言状の有無
エンディングノートには法的な効力がないため、遺産相続の事を記しても必ず希望通り行くとは限りません。
そのため、エンディングノートの他に法的効力のある遺言書を作成する方もいるでしょう。
その遺言書が存在するかどうかを、エンディングノートに記しておくと、混乱を防ぐことができます。
具体的な内容としては
- 「遺言書があるのかどうか」
- 「遺言書の種類は何なのか(自筆証言遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言)」
- 「遺言書の保管場所はどこか」
の3項目を押さえておくことが大切です。
エンディングノートで書くべき項目:自分の資産
自分でも意外と把握しきれていないのが、資産についてです。
自分にはほとんどないと感じていても、実際に遺族が相続のためにまとめてみると、知らない資産があったというケースも珍しくありません。
また、自身の資産を知ることで、今後の備えにも繋がるでしょう。主な資産としては下記があげられます。
預貯金関連
資産と聞いてまず最初に思い浮かぶのが、預貯金関連ではないでしょうか。
預貯金については、預けている金融機関と支店名、口座番号などをまとめておきましょう。
具体的に記しておきたい事項は以下の8つです。
【記載すべき内容】
- 1.金融機関名及び金融コード
- 2.支店名及び支店番号
- 3.預貯金の種類(普通預金など)
- 4.口座番号
- 5.口座名義
- 6.口座の種類(普通口座など)
- 7.連絡先
- 8.通帳または印鑑の保管場所
万が一、何者かに持ち出されたときのことを考え、暗証番号といった重要情報は記載しないでください。
どこに預貯金があるのかということを、遺族に伝えることが目的です。
不動産関連の情報
マイホームなど不動産を保有しているのであれば、必要な情報をエンディングノートにまとめておきましょう。
具体的には以下の項目になります。
【記載すべき内容】
- 1.不動産の種類(土地、戸建、マンション、田畑など)
- 2.不動産の用途(自宅、投資、別荘など)
- 3.不動産の正式な住所
- 4.不動産の名義
- 5.想定される時価
- 6.利用者や管理者が別にいる場合はその連絡先
ただし、エンディングノートには法的な効力がありません。
「今住んでいる自宅は同居している子どもにそのまま譲りたい」など相続に関する遺言があるのならば、別途遺言書を作成してください。
所持している株式、投資信託など
隠れた資産になってしまいがちなのが、株式や投資信託といった金融商品です。
大昔に購入した株式も資産ですから、必ずエンディングノートに記しておくようにしましょう。
具体的には以下の項目になります。
【記載すべき内容】
- 1.金融商品の種類(株式、投資信託など)
- 2.金融機関(証券会社)
- 3.数量
- 4.確定申告の有無
こちらも先程お話した不動産関連の情報と同様に、遺言があるのであればエンディングノートではなく、別に法的効力のある遺言書を作成することが大切です。
ローンや月々支払っているサブスクリプション
住宅や自動車などローンで購入しているならば、毎月決まった金額を支払うことになります。
こういったローンは、遺族が継続して支払いを続けなくてはいけないケースがほとんどです。
住宅ローンや車のローンがあるならば、そちらについてもエンディングノートにまとめて記載しておきましょう。
また、近年トラブルになりがちなのが各種サブスクリプションサービスです。
解約手続きをしない限り、利用料金が永久に請求されることになります。
利用していない不要なサービスは、エンディングノート作りをきっかけに、解約を検討しても良いかもしれません。
今後も続けて利用したいサービスは、エンディングノートにサービスの名称と解約手順を残しておきましょう。
生命保険を始めとした保険
生命保険に加入しているのならば、エンディングノートに情報をまとめておきましょう。その際に記載していただきたいのは下記の項目です。
- 契約している保険会社
- 保険名称や種類
- 証券番号
- 契約者名
- 担当者名と連絡先
- 保険金の受取人
- 保険に関する書類の保管場所
この中でもとくに重要なのが「保険金の受取人」です。
生命保険の死亡保険金や満期返戻金などは、受取人によって相続税になるのか、それとも贈与税になるのかが変わってきます。
保険の契約者と被保険者、全て違う人にしておくと相続税ではなく贈与税が発生することになるでしょう。
そうなると、贈与税として年間110万円まで控除が利用できるようになり、税負担の軽減が期待できるかもしれません。
その他の資産
預貯金や不動産以外にも、自動車やバイクは売却することで資産になるでしょう。
リゾート会員権やゴルフ会員権、骨董品といった資産価値があるものも存在しています。
他にも、高級ブランド品や宝石、金も資産に該当するでしょう。
絵画や骨董品など一見して価値がわかりにくいものに関しては、購入額や評価額といったざっくりとした資産価値をまとめておくと、相続の際にスムーズになります。
また、金額にすると大きなものではないにしても、自分が大切にしており、売却して欲しくないものや誰かに譲り渡したいと決めているものがあるならば、形見分けとしてエンディングノートにリストに記しておくことをオススメします。
それ以外で不要なものは、いっそ買取してもらい、身の回りを整理整頓するのも有効です。
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エンディングノートで書くべき項目:自分の死後について
エンディングノートでは相続の事柄以外にも、自分の死後についての希望を自由に記すことが可能です。
自分はこうしたいのだと遺族に意思を伝えておくことで、実際にそのときが訪れたのならば、スムーズに物事が進んでいくでしょう。
ここではエンディングノートに記しておきたい、自分についての代表的な事柄をご紹介します。
葬儀や埋葬などの葬式関連の希望
自分の死後、葬儀や納骨、埋葬の希望がある場合は、エンディングノートに書いておきます。
葬儀に参列してほしい人や喪主を任せたい人についても、同様に記しておきましょう。
具体的には以下の4つが当てはまります。
【記載すべき内容】
- 1.葬儀の規模(家族葬や一般葬など)
- 2.遺影の有無やその保管場所
- 3.墓石購入の有無
- 4.希望する納骨先(寺院名や霊園名だけでなく、所在地と連絡先も)
葬儀についてはまだ悲しみが残る中、遺族が動かなくてはいけません。
こういった希望を記しておくことで、遺族にとっても後悔がないお別れができるはずです。
親戚や知人、友人の連絡先
あなたにとって最後にお別れをしたい相手がいても、遺族が全員を把握しているとは限りません。
訃報の連絡をする際のことも考え、親戚や勤務先の情報をまとめておきましょう。
その他にも知人や友人といった、自分がこの世を去ったことを知っていて欲しい方の名前と連絡先も、エンディングノートに書いてください。
とくに連絡先に関しては、現代では電話ではなく、LINEといったSNSでやり取りをしている場合もあります。
どうすればその相手と確実に連絡が取れるのかも、詳しく記しておくと良いでしょう。
また、親戚もただ親戚とひとまとめするのではなく親族表としてまとめておくと、万が一相続問題が発生した際の順位を把握するときに大変便利です。
ペットについて
ペットと暮らしている場合は、自分の死後に大切な家族をどうするのかということもまとめておきましょう。
具体的には下記の7つです。
【記載すべき内容】
- 1.ペットの名前
- 2.年齢
- 3.生年月日
- 4.好きなおもちゃや食べ物
- 5.かかりつけの動物病院
- 6.ペット保険加入の有無
- 7.健康状態やこれまでの手術の有無
ペットは当然、言葉を話すことができませんから、できるだけ詳しく先回りして、エンディングノートに記しておくことをおすすめします。
家族へのメッセージ
エンディングノートには、自分の死後についての希望や資産の他にも、自由に書き入れることができます。
エンディングノートを作る際にぜひ入れていただきたいのが、家族へのメッセージです。
生前はなかなか言葉では伝えることもできなかった感謝の言葉や、家族との思い出を書き込んでおきましょう。
言葉だけでなく、写真を貼っておくのも良いかもしれません。
その言葉があなたがこの世を去った後も、大切な家族の心の支えになってくれるはずです。
エンディングノートで身の回りの整理整頓を
ここまで基本的なエンディングノートの作り方についてお話してきました。
法的効力のある遺言状とは異なり、エンディングノートに書くことは自由で、決まった形式もありません。
ポイントを押さえつつ、自分が伝えていきたいことを記していきましょう。
エンディングノートにはただ死後について意思を伝えるだけでなく、これまでの自分を振り返り、そして現状をまとめていくことで今後の人生がますます豊かになっていく効果もあります。
まだエンディングノートを作るような年齢ではないと考えずに、自分自身のことを把握するためにも作成してみることをおすすめします。