この卵を半分に切ったような形状の「海の太陽」と呼ばれたブルーダイヤモンド「Orloff(オルロフ)」が発掘された場所、年代は正確には伝わっていませんが現在はロシアの貴人が持つ「笏(しゃく)」と呼ばれる杖のような物にはめ込まれクレムリン博物館に収められています。
このOrloff(オルロフ)ダイヤモンドには様々な呪いの伝説があり、まずはなによりその出自から謎に包まれています。1774年アムステルダムの市場にてロシア貴族グレゴリ・オルロフ伯爵が45万ドルという当時では小さな国なら買えたといわれるような高値で買取されたオルロフダイヤモンド。それまでの経歴はわからない謎のダイヤモンドなのですが、ムガール帝国がかつて持っていた787カラットもの大きさの「グレートムガール」ではないかと言われています。このグレートムガールの生い立ちも諸説ありますが、インドのスリランガムの寺院の女神の像の片目にはめ込まれていたものをフランスの脱走兵が盗み出してマドラス経由でイギリス軍の保護下に入ってそのイギリス人船長に買取られ、さらに宝石商ガーデンに買取されてダイヤモンドは売り手から売り手へ渡りアムステルダムのオークションにたどり着きました。元々はペルシャの王がデリーを攻め落としたときに宝物庫にあったものを持ち帰ったなどの説があります。
出自は諸説様々ですがなんにせよ1774年にOrloff(オルロフ)ダイヤモンドを手に入れたオルロフ伯爵は当時のロシア女帝エカテリーナ2世にそれを進呈し、エカテリーナ2世がそれを笏にはめ愛用しました。オルロフ伯爵はエカテリーナ2世と恋仲でありましたが、薄れてきた女帝の愛情を取り戻すため超高額のダイヤモンドを手に入れて献上し、一時はその愛も復活したかのように見えましたがのちに捨てられ、破産して最後は狂い死にしてしまいます。またエカテリーナ2世の死後、王位とともにこのオルロフダイヤモンドを受け継いだ皇帝は6人いましたが、そのうち3人は暗殺され、残る3人も不自然な死を遂げています。
ホープダイヤモンドといいこういった大きなダイヤモンド、特にブルーダイヤモンドには呪いの伝説がつきものですが、もともと女神像にはめられ信仰の対象とされていたという説もこの呪いの伝説を聞くとあながち嘘だとも思えません。
ちなみに女神像からフランス人兵士も殺害され、受け継いだイギリス人船長も病気からアル中、そして発狂死。さらにその船長からオルロフを買い取った宝石商は強盗に殺されるなどかかわるすべての人間を不幸にしてきました。
所有者だけでなく関わる全ての人を不幸にしてきたという伝説のブルーダイヤモンド「Orloff(オルロフ)」、呪いのダイヤモンドで同じく有名なホープダイヤモンドが45.50ctですのでその4倍近い大きさの特異な形状をしたダイヤモンドを見てみたいものです。
マルカ(MARUKA)ではこのOrloff(オルロフ)ダイヤモンドほどの大きなダイヤモンドを扱ったことはございませんが、日々多数のダイヤモンドを買取させていただいております。それはMARUKAの始まりが京都で昭和28年から続く質屋であったこと、質屋として宝石類の鑑定・査定・買取は必須でその経験と知識が脈々と引き継がれてきたことにより現在でも査定士はダイヤモンド・エメラルド・ルビー・サファイアの鑑定・査定の修練に日々取り組んでおりその確かな鑑定眼は有名です。ブランド品や時計に関してはインターネットがあれば相場を調べることは可能ですが、宝石、特にダイヤモンド買取に関しては実物を手に取りしっかりとした指導者の元勉強しないと身につくものではありません。
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