楠部弥弌(くすべ やいち (彌弌))は明治30年、京都市東山区で楠部貿易陶器工場を経営する父千之助と母とみの四男として誕生しました。幼少の頃より父親の仕事によって楠部弥弌にとって陶芸は常に身近なものでありました。そして両親の意向もあり京都市立陶磁器試験場の伝習所として入所しました。京都市立陶磁器試験場では陶芸の技術を学び卒業後、本格的に創作陶芸の道に進んでおります。楠部弥弌(彌弌)は京都粟田口の同年代作家の八木一艸、川村喜太郎などと大正7年、作陶家集団「赤土社」を結成しました。赤土社は「自然の美の奥深さや永遠に亡びざる美を陶器なる芸術によって表現せんとする」という独特な発想により、当時閉鎖的だった陶芸界へ新しい風を巻き起こしました。楠部弥弌は精力的に作家活動を行い、韓国や中国などに渡り日本の伝統的な陶芸を芸術として追求していきます。その後、パリ万国博覧会で受賞して日本美術工芸展では、作品を宮内庁が買い上げしてくれるなどの偉業を成し遂げて帝展、日展など数多くの受賞を取られました。
楠部弥弌(彌弌)の作品は彩埏技法を用いたものがよく知られていますが、この他にも染付や金彩、色絵の作品も数多く残されております。中でも「彩埏(さいえん)」と名付けられた代表的な陶芸法があります。それを釉下彩磁(ゆうかさいじ)と言います。
染付や辰砂、釉裏紅などがありますが釉薬の下の胎土に顔料で直接文様を描き、その上から透明の釉薬を掛けて焼き上げるのが釉下彩技法の特徴です。
楠部弥弌(彌弌)の生み出した彩埏作品には文様をあわくうき立たせた草花をモチーフとして優しく美しくモダンな印象の品があります。作品としては香炉、飾り皿や花瓶などを数多く制作し高い評価を受けております。
そして1984年87歳で京都にてその長い人生の幕を閉じておられます。京都の方だと思うと身近に感じるのは私だけでしょうか。現在マルカ(MARUKA)では美術品・骨董品買取に力を入れております。楠部弥弌(彌弌)をはじめ京都出身の現代作家のみならず全ての美術品の買い取りなら昭和28年創業、鑑定眼には自身のあるマルカ(MARUKA)にお任せください。またマルカ(MARUKA)では現在美術品・骨董品出張買取を強化中です。貴重な美術品などを移動させるのは難しい、または単純に大きくて車にも積めないなど大変な思いをしなくてもお電話一本マルカ(MARUKA)の出張買取が日本全国どこにでもお伺いします。365日対応のマルカ(MARUKA)、出張費も査定後にお値段に納得いかずにキャンセルになっても一切費用は無料。骨董品・美術品出張買取もマルカ(MARUKA)にお任せください。
楠部 弥弌(彌弌)(くすべ やいち)
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