- 珊瑚について
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珊瑚(サンゴ)と呼ばれるものには実際は宝石サンゴ、石サンゴ、軟質サンゴ、ヒドロサンゴなどの種類があるが、宝石として取り扱われるのはもちろん宝石サンゴと呼ばれるものだけである。
これは花虫綱八方サンゴ亜綱ヤギ目サンゴ科に属するいわゆる珊瑚虫で動物です。珊瑚が動物であると認定されたのは1700年代で石灰質で硬い攻殻を作り種別により色々な形状に成長するが、そのままの姿で希少性のあるのは枝状に伸びたものである。
サンゴの成長は、原木の周囲を漂っている珊瑚虫が、一定の大きさまで成長すると原木本体に吸着される事によって成長していきます。
まったくの偶然ではありますが珊瑚虫の中でも、感覚機能を持ったもの、平衡機能を持ったもの、外敵に対して保護機能を持ったもの、磨耗に対する保護機能を持ったものというようにそれぞれ役割を持ったものがランダムに一つの原木を成長させるのでまったく同じ形状、色、形、大きさをしたものはなくそれぞれが特徴的な枝ぶりを見せるのです。
またそれら珊瑚虫の性質だけでなく、潮の流れが枝ぶりに大きく影響します。潮の流れが速いほど、非常に美しい枝を作る為海底深くの潮の流れが速いところで成長したものが珍重されます。
尚、動物であるので寿命があり、寿命が尽きたサンゴはそのまま海中にいると朽ち果てて砂に帰ってしまいます。
それらの珊瑚の中でも貴重とされるのは「血赤」と呼ばれる真っ赤なサンゴで、むらや色の薄い部分がなく、また平べったいよりは球状でどこからみても変色がないものが最高とされる。もちろん同じ球状であれば直径が大きければ大きいほどよいとされ、また球状でもより色むらや傷が少ないものほど貴重で、指輪等に加工されるにしてもその装飾の仕方はより全体が見渡せる形にセットされその希少性を誇示する形となっている。
サンゴは水の汚れや海水温上昇にも弱く、年々減っていくいっぽうである。また過去人間による乱獲やオニヒトデによる食害などもサンゴ絶滅の危機に拍車をかけている。
宝石としてのサンゴは日本では3月の誕生石とされ、また結婚35周年を珊瑚婚ともいう。
人気としては中国や日本のみと考えられがちであるがヨーロッパでも需要は高く、ギリシャ神話によると珊瑚とは英雄ペルセウスが怪物メドゥーサの首を掻き切った時に溢れた血からペガサスが産まれ、地中海に滴り落ちた血の雫が珊瑚になったとされている。
歴史的にサンゴが世に現れたのは紀元前2万年頃まで遡るとされます。ギリシャ・ローマ時代には色々な装飾品が作られ、また壁画や花瓶の装飾に使われた様子が残っています。
古来ではそのヨーロッパでの人気は非常に高く、日本へは奈良時代以後、イタリア産でシルクロードを経てやってきた珊瑚を珍重していたが、土佐沖でサンゴが採れるということが発見されてからはイタリアなどの宝石商人がこぞってそれらを求めイタリアのみならずヨーロッパ全土へと送っていた。
前述の「血赤珊瑚」のは特に中国、台湾、日本で人気が高くアメリカではもう少しピンクがかった色が重宝される、それらは「エンジェルピンク」と呼ばれるが日本では「ボケ」と呼ばれており価値が低いものとされている。
ただこの本ボケサンゴの種類は、厳密に言うと桃色サンゴに入ります。原木全体が、ほのかなピンク色をしており、加工すると非常に優しい色合と光沢が出てきます。
現在では採取量も無く、幻のサンゴとなっています。
このサンゴに類似した「マガイ」と呼ばれる種類がありますが、本ボケサンゴと見間違う事からマガイと名付けられています、偽物という意味ではありません。
日本でこの赤珊瑚が取れるのは高知県沖で海底約300mもの深さにあるものが良いとされてます。乱獲とその採取の難しさから数は年々減り続け、またそこまで成長するに長い時間を要する珊瑚は絶滅が心配される種となっております。
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