中島　宏（なかじま　ひろし）

中島宏は昭和から平成にかけて活躍する佐賀県出身の陶芸家です。
また平成19年に青磁にて重要無形文化財（人間国宝）に認定をされています。
その作風は中島青磁や中島ブルーと呼ばれれる程、青磁の研究、可能性を見出し独自の青磁を確立したことで知られています。
そんな中島宏は昭和16年佐賀県に生まれます。
家業が窯元で陶磁器を焼いていたことも有り、幼き頃から陶芸を見て育ちましたが当時は家業イメージが良くなく、あまり好きにはなれずにいました。
そんな中、父親に連れていかれた窯跡の発掘調査で染付や古唐津の中にあった青磁の陶片を見つけたことがキッカケとなって青磁に対して強い関心を持つようになります。
周囲からは陶作の中で青磁は難しいからやめるように反対されましたが、青磁の魅力に取りつかれた中島宏は敢えて青磁を極めようと心に決めて歩み出します。
その後は、中国の龍泉窯などを何度も訪れて調査をして、窯跡をから青磁の陶片を見つけては文献を開いて研究をしていき中国古窯青磁を追求していきます。
こうして研究を重ねて生まれた中島青磁は多くの陶芸家は古陶磁器に関して写しで止めているのに対して中国古窯青磁に刺激を受けて印象派から絵からヒントを見出し釉薬に深みをだす研究や彫りを入れることにより確立していきます。
独創的な世界観で独自の青磁を完成させた中島宏は内閣総理大臣賞を受賞したのをきっかけに、MOA岡田茂吉大賞、日本伝統工芸展、日本陶磁協会賞、MOA岡田茂吉大賞、NHK会長賞、藤原啓記念賞の同時受賞など数々に展覧会で受賞を重ねていき、この功績により招待出品も多く依頼が入るようになります。
また新しい試みで、その磨き抜かれた技術力を用いて釉薬を使って黄色、米色、薄紅色など新しい彩色にもとり組んでおり、シンプルではあるが深い味わいのある現代青磁の可能性を今も追求している作家です。
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